認知症は、脳の機能が低下して、記憶の障害や以前出来ていたことが出来なくなる、周辺症状として、怒りやすくなる、抑うつ的になる、介護を拒絶する、生活リズムが崩れる、本来見えないはずの人がみえたり、家族に嫌がらせされている、物を盗られているといった妄想的な発言がみられることもあります。
日常生活の状況をお聞きして、以前のご本人と比べて、どういったことが出来なくなっているのか確認させていただきます。神経学的な所見をとらせていただくこともありますし、MMSEやHDS-Rなどの認知機能の検査をさせて頂くこともございます。また、頭蓋内の異常でそういった症状がみられることも少なくないため、一度は頭部の画像検査(頭部MRI検査や頭部CT検査)を行っていただくようお願いしています。
治療法は症状の進行を遅らせることが主な目的です。薬物療法としては、コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬が一般的に使用されます。これらの薬は認知機能の低下の進行を遅らせる効果があります。また、非薬物療法として、認知リハビリテーションや生活習慣の改善が推奨されます。日常生活では、定期的な運動、バランスの取れた食事、社会的な活動が有効です。
また、以前のご本人との変化が受け入れられずに、ご家族とご本人の関係性が悪化してしまっていることも少なくありません。このため、ケアマネージャーを選んで頂いたり、日中にデイサービスなどに通っていただくことで、ご家族との接点を減らす、第三者を入れることで葛藤を緩和するといったこともあります。
お困りの際は受診を検討ください。