
当院のホームページを見てくださっているということは、お子さんに関して何かしらの困りごとなどがあるのではないかと思います。
学校で他の子とトラブルになってしまう、学校で落ち着きがないといわれる、かんしゃくを起こしてしまい家庭内で暴れてしまう、学校に行きたがらない、朝起きられない、常に不安そうにしている、自分のことを傷つけるような行動をしているなど様々な理由がおありかも知れません。
精神科が扱う疾患の多くは、所属する文化、社会の影響を強く受けるものとされています。ご本人、ご家族がこんなものかなと思われれば、特に通院につながることはないでしょうし、一方でご本人やご家族が主観的に辛いと思っておられれば、通院を検討頂く十分な理由になるでしょう。
昨今、社会的な規範や要請といったものが弱まっているとされます。この関係でお子さんの「~しなければならない」といった意識も弱まっている可能性が指摘されています。極端な話ですが、生きていなければならないとも思っていないお子さんも少なくありません。どのようにお子さんに関わるかというのは非常に繊細で難しい時代になってきていると言えるでしょう。
私たちもどのように関わったら良いのか悩みながら臨床をしているところではありますが、ありふれた言い方になってしまいますが、ご本人の個性や主体性を伸ばすことが何よりも重要な時代になってきていると言えるでしょう。ご本人の興味のあること、好きなことは何よりもご本人の強みであるということは意識しておくと良いでしょう。
冒頭で挙げた問題とされる行動のうち、落ち着きがない、注意力が乏しい、面倒なことを後回しにしやすいといった特徴や性格傾向は注意欠如多動症といわれる神経発達症によくみられます。これらについてはお薬を飲んでいただくことで改善させられることも多いため、受診をご検討頂けたらと思います。特に、お友達を叩いてしまうといった他のお子さんを傷つけてしまうような行動がみられる場合、危険を顧みず道路に飛び出してしまうといった行動がみられる場合には、一度早めに薬剤的に症状が改善しないか検討していただくことが望ましいでしょう。
また、不安が強い、朝起きられない、といった症状についても少量の薬物療法により劇的に症状が改善することもあり得ます。1~2年不登校だったが、通院を開始して薬剤治療を行うことで学校に行けるようになったというお声も数多く頂いています。ご家族の中だけでお悩みになるのもお辛いかと思いますので、ぜひ通院をご検討頂けたら幸いです。